「……麗奈ちゃんとここで、話したときにさ。気が合うって、思ったんだよ」
ふたりが初めて話したらしい日の昼休み、私は男子に告白されていた。
その間暇になった麗奈ちゃんは、屋上に行っていて。
教室へ戻ってきた彼女は、言ったんだ。
『隣のクラスの松山智樹って、面白いね』って。
「考え方とか、同じでさ。絶対合うって、思ってたんだよ。…けど、違った」
雲が、ゆっくりと流れる。
…優しく優しく、流れる。
「麗奈ちゃんが求めてたのは、一緒に歩いてくれる誰かじゃなくて、先へ引っ張ってくれる誰かだったんだ」
……色を、失う。
彼の瑞々しい『青』が、色を失っていく。
金曜日、彼の目に映った茜色を見て、そう思った。
「……うん」
一言だけ返事をした私に、トモくんはフっと笑って、「あー、悔しいなぁ」とわざとらしく大きな声を出した。



