青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。



「…だから少し、小城さんが羨ましい」

……ああ、やっぱり。


距離は、埋まらない。






「あっ、私、教室に忘れ物した!」


手洗い場につくと、利乃とトモは先に手を洗って、待ってくれていた。

けど、あたしが汚れた体操服を見て、「そういえば明日、体育あるね」と言うと、利乃がハッとして思い出したのだ。

手を洗い始めたあたしと池谷くん、そしてトモを交互に見ながら、慌て始める。


「どっ、どうしよ。学校、まだ開いてるかな!?」

「んー、ギリギリ?」

腕時計で時間を確認したトモが、そう答えた。

下校時間と共に、学校は閉まる。

ギリギリってことは、もうすぐ七時になるのか。

夏だから日が落ちるのが遅くて、時間の感覚がわからなくなる。