「…な、なに…?」
「…小城さんて、ときどきよくわかんないよね」
そう言って、彼は心底おかしそうに笑う。
恥ずかしいような嬉しいような、複雑な気持ちで「そ、そうすか…」と目をそらした。
「麗奈ちゃんがちょっと変なのは、前からだもんねー」
前から聞こえてきた利乃の言葉に、「はぁ!?」と言い返す。
「あたしは普通だよ!」
「自分は普通だって思ってる人ほど変なんだよ〜。ほら、早く行こーっ!」
そう言うと、利乃はトモを引っ張ってさっさと手洗い場へ行ってしまう。
取り残されたあたしと池谷くんは、顔を見合わせた。
「……ぶっ」
「ちょっ、人の顔見て笑わないでよ!」
ズボンのポケットに手を突っ込んで、池谷くんは肩を震わせる。
…そんなに変な顔してんのかな、あたし。
結構、傷つくんですけど?



