青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。



「そ、そう言うトモくんは、しゃべってばっかで全然手動いてなかった!」

「俺はちゃんとやってましたぁー。言いがかりはやめて下さ〜い」

「その顔、超ムカつく!」

言い合っているふたりの後ろで、池谷くんと並ぶ。

彼は優しげに目を細めて、ふたりを見ていた。

その目に、安心する。

…彼は今、『ここ』にいるんだと。

遠くを見ていない瞳に、ホッとした。

すると、不意に池谷くんがこっちを向いた。

「わぁっ!」

目があって、驚きと恥ずかしさのあまり、思わず叫ぶ。

池谷くんはもちろん、利乃とトモも言い合うのをやめてこっちを見ていた。

「…どしたの、麗奈ちゃん」

トモがポカンとして言うから、ますます恥ずかしい。

「な、なんでもない!!」

「ぷっ」

横から笑い声が聞こえて、今度はあたしが驚く。

池谷くんは肩を震わせて、笑っていた。