「みんな、本当ありがとね」
もう一度そう言うと、利乃が「どういたしましてっ」と笑い、トモが口笛を吹いて、池谷くんが穏やかに笑った。
*
下校時間が近づき、空もだんだんと朱くなってきたころ。
「よし、綺麗になったなぁ!みんな、お疲れ!」
先生が緑の消えた辺りを見渡して、笑った。
「疲れたぁーっ」
んー、と、利乃が伸びをする。
あたしは暗くなってきた空を見上げて、目を細めた。
六時すぎ、くらいかな。
なんとか終わって、よかった。
「みんな、ホントありがとっ」
バッと頭を下げると、「いいよー」と利乃がにこやかに笑う。
トモも池谷くんも袖で汗を拭いながら、笑っていた。
「じゃあ、ゴミ袋は先生が持っていくな、みんなお疲れ。おかげで助かったよ。気をつけて帰れよ〜」
「お疲れ様でしたー」
みんなで頭を下げて、ゴミ袋を持っていってくれる先生を見送った。



