青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。



「それで?それで?誰なの?」

「………」

ちょっと耳貸して、と言い、利乃の耳元に唇を近づける。

ワクワクした様子の利乃に、恥ずかしさを感じながら口を開いた。


「い、…けたに、くん」


唇を離し、顔を見合わせる。

利乃は、ぽかんと口を開いてあたしを見ていた。

やがて、「…ホントにっ?」と目を見開いたまんま声を出す。

顔がますます熱くなっていくのを感じながら、あたしは「うん」と手の甲を頬に当てて答えた。

「やーん!そっかそっかぁ、わかったーっ。私でできることがあったら、協力するねっ!」

うわあ、超女子っぽい会話してる、あたしたち。

利乃のテンションが、最高潮に達する。

「ありがと」

そのはしゃぎように笑いながら、放課後の掃除のことを思い出して、げんなりするのだった。





「はぁ、だっる!」


放課後。

体操服に着替え、軍手をはめて、準備万端な状態で花壇の前に立っていた。