青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。



「麗奈ちゃんまでー!」

「ハイハイ、利乃、叫びすぎ。帰ろ帰ろ」

まるでお母さんみたいに、慎ちゃんが私の背中を押してくる。

それにムッとして見上げると、優しく細められた目とぶつかった。

ドキッとして、慌てて目を逸らす。

……だから、そんな目、しないで。

ちらりと麗奈ちゃんを見てみると、運良く前でトモくんと話しているところだった。

ぎゅ、と手のひらを強く握りしめて、ダメだ、と思う。

早く、早く。



私は、離れなきゃいけないんだ。



「トーモーくん!」

麗奈ちゃんとトモくんの会話が無くなったところを見計らって、彼の背中にダイブした。

「うわっ……重い!」

「はぁー!?女の子になんてこと言うの!」

トントンと、トモくんの背中を押しながら、廊下を歩く。

麗奈ちゃんは「トモ、かわいそー」と笑いながら、後ろで慎ちゃんの横に並んだ。

それを確認して、さりげなくトモくんの横を歩く。

すると、トモくんがちらりと後ろを見て、そして私を見た。