我慢していたら、日に日に女子たちの行動はエスカレートしていって。
ときには、四人でいるときにも通りすがりで、ボソッと悪口を言われたりする。
それに気づいていたのは、たぶん…トモくん、だけ。
彼は私と目を合わせることなく、教室の扉の方を見ている。
……この人がみんなに好かれている理由は、ただ明るいからじゃない。
周りをよく見ていて、その時の状況とか友達の表情の変化とかに、敏感だからだ。
「……慎ちゃんには、絶対言わないでね」
携帯を見つめながらそう言った私に、トモくんは頷くだけだった。
*
あれから、私はいつも通りに過ごしていた。
少しだけ変わったことといえば、麗奈ちゃんと慎ちゃんに心配かけないよう、いつも以上に笑うようになったくらい。
そんな水曜日の放課後、教室で携帯を見ると、メールが一件、届いていた。
送ってきたのは、お母さん。
少しだけ嫌な予感を覚えてメールを開くと、そこには案の定な文面が広がっていた。



