青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。



我慢していたら、日に日に女子たちの行動はエスカレートしていって。

ときには、四人でいるときにも通りすがりで、ボソッと悪口を言われたりする。

それに気づいていたのは、たぶん…トモくん、だけ。

彼は私と目を合わせることなく、教室の扉の方を見ている。


……この人がみんなに好かれている理由は、ただ明るいからじゃない。

周りをよく見ていて、その時の状況とか友達の表情の変化とかに、敏感だからだ。


「……慎ちゃんには、絶対言わないでね」


携帯を見つめながらそう言った私に、トモくんは頷くだけだった。





あれから、私はいつも通りに過ごしていた。

少しだけ変わったことといえば、麗奈ちゃんと慎ちゃんに心配かけないよう、いつも以上に笑うようになったくらい。


そんな水曜日の放課後、教室で携帯を見ると、メールが一件、届いていた。

送ってきたのは、お母さん。

少しだけ嫌な予感を覚えてメールを開くと、そこには案の定な文面が広がっていた。