私は自分のことを好きになって欲しくて、男子と話してるんじゃない。
私が誰と話そうが、私の勝手でしょ。
他人に制限される筋合い、ない。
あくまで冷静に言葉を返す私に、女子たちは顔を見合わせる。
そして、何故かまた嗤った。
「…その『慎ちゃん』って呼び方、マジでキモいから。ガキかよ、ほんと」
その言葉に、私は近くにあった机を思い切り蹴飛ばした。
大きな音が響いて、女子たちが驚く。
私は彼女たちを睨みながら、「あのさぁ」と強い声を出した。
「…私なんかにこんなこと言ってる暇あったら、好きな人のとこ行ったら?いくら外見磨いてても、今のあんたたちの顔、全然可愛くない」
その瞬間、顔を赤くした女子のひとりが、右手を振り上げた。
それは容赦無く私の頬へ、振り下ろされて。



