「…やっ、停電?!」
カミナリと停電とか、最悪な組み合わせ!
光のがもろ目立つじゃん。嫌だ。
一番おそれていたものが、今来てしまった。
「ま、大丈夫だろ。すぐおさまる」
「そっ、そんなこと言ったって……」
廊下でも、先生は『動くな』って言ってる。
携帯は持ってきてるけど、暗すぎてどこにあるのかもよく分からないし…。
「……ひ、ひひ飛呂くん……」
「あー?」
い、いた……。
よかった、いた……。
「いつ、終わるかな……」
「すぐ終わるだろ」
「で、でも」
「あーもう、うっせーな」
「……っ!」
ビクッ、と。
身体が動いたのは、飛呂くんの声が少し怖かったから。
「…ごめん…………」
こういうとき、朔ちゃんは………─



