「…でも、あれだな」
手元の資料をペラリ…とめくって、飛呂くんは目を伏せたまま呟いた。
そのまま、ペラペラという音に混じって、わたしにもあまり聞こえない声で、飛呂くんは呟いたんだ。
「…そー思ってんのは、お前だけだろ…」
わたしはその声があまりよく聞こえなくて、首を傾げてしまって。
そんなわたしを見て、飛呂くんは「何でもない」と呟いた。
「…ま、いーよ。俺はそれが気になってただけだから」
「……」
…そっか。
そっか。飛呂くんは、わたしと朔ちゃんの仲を気にしていたのか。
「…そっか……」
って、ん……?
気になってた?
わたしと、朔ちゃんとの、仲を……?



