ビター・オア・ミルキー



「…な、なに……?」


じっと見つめてくる飛呂くんに耐えられなくて。

わたしはただ、手元で回っているシャーペンだけに一点を注いでいた。


ふわふわ、ふわふわ。

揺れるわたしの目は、最終的に飛呂くんを捉え、そこで動けなくなってしまった。



「…別に、答えなかったらいいんだけど、」

「…う、ん……」



チクタク。チクタク。

時計の音が何回か響いた後。




「…昨日の、幼なじみ……、あれ、ヒヨコの彼氏?」



飛呂くんが、わたしを見つめたままそんなことを言うから。


「へっ?!?!」


またまた、ビックリしてしまった。


き、きた~。

朔ちゃんとの仲は何回も疑われてきたけど、未だに人に説明しなきゃいけないなんて。

そっか、飛呂くんは昨日初めて知ったんだ。



「朔ちゃんとは付き合ってないよ!あの…なんていうか、朔ちゃんとは兄妹みたいと言うか…その………」

「ふーん」



…え。


ふーん。て。

いや、別にいいんだけど。