ビター・オア・ミルキー



「お前な、なんなの。今日ずーっとそんなんだけど」


少しイライラしてるのか、シャーペンをカツカツ鳴らしながら話す飛呂くん。
 

「そっ、そんなんって?」

「ぼーっとしてるってこと!」

「あ………」



…やばい。

一気に汗がふいた。
だって、飛呂くんのメアドが原因とか言えないよ!どうすんの!


別に、き、気になるとかそんなんじゃないしっ!


「…はぁ。またぼーっとする」


ひいっ……!


「ごっ、ごめん!!」


怒っていらっしゃる!
やばい、これはやばい。

今度はお腹を蹴られる、このままじゃ。  


「…別にいーよ。つか…、」


…?


「…つか、」といいかけた飛呂くんは、じっとわたしを見た。

黒髪から見える黒目に、わたしの姿が映る。


それだけで、息が詰まりそうで。