「ヒヨコ、お前どーせ暇だろ?俺今日かなり暇ないからさ、これやっといてよ(低い声)。だよ?!有り得ない!」

「なにそれ、モノマネ?」



ははは、と笑う朔ちゃんにも、ちょっとだけイラッときて。

そんでもって、飛呂くんのモノマネをしたらさらに思い出してイラッとして。



「わたしのこと、ヒヨコって言うんだよ!」

「え。ヒヨコみたいじゃん」

「ちっがーーーーう!!」



なんで!なんでだ朔ちゃん!
いつもはわたしの味方をしてくれるのに!

今日はなんで飛呂くんの肩を持ったりするの!



「まぁまぁ、俺は飛呂くんとかよく分かんないけどさ、どーせ君花のことだから、いつも甘えてるんでしょ?」


パラリと雑誌を広げながら、優しく返す朔ちゃん。

落ち着くその声で言われると、確かに、と納得してしまった。

確かにわたしは、飛呂くんに甘えて、それで助けてもらってる。



「たまにはさ、君花も助けてあげればいいじゃん。きっと、向こうも助かるよ」

「……朔ちゃん…」


朔ちゃんがそう言うなら、そうかなあ。  

飛呂くんの助けに、なれるのかなあ。


「わたしがこれを始末したら、飛呂くん、
わたしのことヒヨコって呼ばなくなるかな?!」

「…それはわかんないけど…」


そっか!そっか!

いつも助けてもらってるから、今回はその恩返しと思えばいいのか!!