…そんなの、分かってる。
色んな人に言われたもん。彼氏を不安にさせるな、って。
男と二人きりで部屋にいるのには変わりないんだから、って。
でも……。
「…朔ちゃんは、お兄ちゃんみたいなもんじゃん…」
わたしにとっては、それ以上の関係なんてあり得ないのに。
「朔ちゃんと仲良く出来なくなるんなら、振られた方がマシだよ」
「…君花」
あぁ、なんかすっきりした。
いいんだ、みんなには理解してもらわなくても。
朔ちゃんにさえ、分かってもらえれば。
「君花は、あれだな。俺より優先できる人が現れないと、だめだね」
…そう笑う朔ちゃんは、いつも嬉しそうだった。
失恋すればいつも、こうやって笑ってくれた。
でも、朔ちゃんより優先出来る人なんて、ほかにいないから。
本当だよ。
