「朔ちゃあーん、聞いてよぉ~」


ふぇえ、と、半泣きになりながら、わたしは朔ちゃんの部屋に助け船を求めに行った。


わたしの手には、書類がいっぱい。

そんな姿を見て、「どうしたの」と、朔ちゃ んは言ってくれた。


「ねぇ聞いてよ朔ちゃん。飛呂くんてばヒドいんだよ!こんなにわたしに書類任せてさぁ…」


「ひ、飛呂?」


ハテナマークを浮かべる朔ちゃんに、わたしは説明した。

この書類は、近々やってくる生徒総会のものであること。

クラスの人数分、学級委員が集計をとらなければならないこと。

そして、部活をしている飛呂くんから、それを任されてしまったこと。


すべてを話して、また朔ちゃんの名前を呼んだ。



「あー…分かった分かった。分かったから泣くなよ、このくらいで…」

「だってー!飛呂くんてばヒドいよ!こんな大量の集計をわたしだけに任せるなんて!鬼だよ、鬼!!」



今日、担任から任されて、学級会でアンケートをとって。

それを放課後にするはずだったのに。

部活が忙しいって言って、そんでもってわたしに預けた。

こんな大量に!あの男!!