…それでも。
相変わらずの無愛想顔でわたしの方を見て、たまにそれを面白がって静かに笑う。
そんな飛呂くんが、新鮮で。
クラスのみんなも、アニカも、きっと知らないであろう飛呂くんの姿を見れた気がして。
…少し、嬉しかったんだ。
相変わらず、頬はあつかった。
「…ふ、ヒヨコってあだ名、なかなか気に入った」
「え、やだよ、そのあだ名」
「鳥インフルエンザ連れてきたら、燃やすからな」
「…;」
…こんないじわる、男の子に言われたことも初めてなんだけどね。
朔ちゃんとはまた違う優しさと空気に、
わたしは少し
戸惑ってしまったんだ。