ビター・オア・ミルキー



「始業式の時、潮田聞いたじゃん。俺の苗字」

「あ、あぁ…、あれ…!!;」


思わず聞いちゃったときか。

未だに、あの質問の意味がよく分からないのだけれど…。


「お、覚えたよ!さっきも言ったけど、変わった名前だし、飛呂くん」

「…そっか」

「うん!!」


足が、なんとなくくすぐったいから、机の下で伸ばしてみた。

ピンと張って、疲れが逃げていく感覚がする。


その時に、こん…と、つま先が当たった。

きっと、飛呂くんの足だ。


「…ごめん」

「え?…や、いいよそんなの」


静かな教室に、飛呂くんの声だけが響いた。

わたしの声は、よわよわしく消えていくのに…。

どうしてだろう。