ビター・オア・ミルキー



…って、わたしは何をすればいいのだろう…。
もくもくと名前を書いていく飛呂くんの向かい側で、わたしは一時停止。

何も、仕事が、ない…。


ど、どうしたら……。


「……潮田ってさ」


……!!


「は、はははい…!!」


びくっと、身体が震える。

こんなの、何回目なんだろう。
飛呂くんと一緒にいると、身体がビックリしてしまう。



「潮田の名前って、君花?」


……………。


「……っ……!!!」


「……潮田?」

「えっ…、あ、うん、そう……」

「ふーん…」

「……」


…な、なんだろう、今の。


『君花?』


そう呼んだ時の飛呂くんは、頬杖をついたまま、じっとわたしの方を向いて…。

…顔、あつい。

呼吸困難に、なりそうだ。