なんだか、顔がぼーっとする…。
「…潮田、聞いてる?」
「………」
「潮田?」
…え!?
「あ、ご、ごめんなさい…!う、うん、暇だよ!」
…どうしてわたしは、飛呂くんを目の前にしたら、固まってしまうのだろう…。
まるで引き込まれるように、凝視してしまう。
「…そ。じゃあ今日の放課後な」
「は、はい!!」
朔ちゃんにメールしなきゃ!
今日も一緒に帰るって約束してたし…。
ま、一日くらい、いいよね。
「…ふ~ん…?今日は朔太郎くん以外の人と放課後デートか♡」
飛呂くんが去った後、アニカがにやにやしながら方をつついてきた。
「…デートって…。そんなんじゃないよ…」
「ふふふ」
…アニカは、完全にわたしと飛呂くんとの仲を面白がっている。
わたしが、始業式に飛呂くんのことを聞いた時からだ。



