ビター・オア・ミルキー



それからだ。

朔ちゃんには中学入ってすぐに彼女が出来た。

塾で知り合った、他の学校の子だった。


そのことについて、わたしはあまり知らないけど。
とにかく、朔ちゃんの女遊びは、そこから始まった。


「春になったというのに、まだ寒いな」

「…うん……」


毎回、派手目の女の子を彼女にしては、数ヶ月も付き合わず別れ。

そのたびに、朔ちゃんはどんどん恋愛に冷めていっている気がする。


「君花」

「んー?」


…でも、わたしにだけは、ずっと

ずっと、態度はやさしいままだよね。


「…君花は、誰かを本気で好きになったことあんの?」



…………えっ?