「だーかーらー。なんで朔ちゃんはそう女の子に甘いのかなぁーー」
新学期始まって早々。
朔ちゃんには新たなファンも増え、いくつものプレゼントを持って帰るようになっていた。
「だってくれるんだもん。仕方ないだろ?」
苦笑いしながら、今日貰ったお菓子をムシャムシャ食べる。
…まったく、この女たらし。
「朔ちゃん、そーやって、誰にでも優しくしてると、悲しむ女の子もいるんじゃないの?」
毎回毎回、違う女の子の名前を出してさ。
わたしだって迷惑してるんだからね。
知らない人から朔ちゃんとの関係を聞かれたり。
「…悲しむって?何を?」
「だからー、朔ちゃんのことを本気で好きって言ってくれる女の子とかさ!」
「うーん…俺のことをねぇ……」
周りでピーピー騒ぎ立てている女の子は、ハッキリいってミーハーなだけだ。
そういう子たちに限って彼氏とかいるし。
朔ちゃんのことなんか、本当に恋してる感じには全く見えないんだもん。
そういう人たちを、本気で相手にしてる朔ちゃんがバカみたい。