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わたしたちの、大きな一歩から、半年が経った。
季節は長い長い1日が続いていた夏に対して、太陽がすぐに隠れてしまう冬へ。
わたしたちは、もう目の前に卒業を迎えていた。
「君花ー」
それでも変わらず、朔ちゃんはいつも通り、わたしたちの教室にやってくる。
「朔ちゃん、どうしたの」
「どうしたのじゃねーよ。君花、俺の電子辞書持って帰ったでしょ」
「あっ!!」
…話していることのほとんどが、勉強に関することばかりになってきて、朔ちゃんなんかもう、毎日毎日、ぼろぼろだ。
「あっ、じゃないよ。まったく。昨日の夜中超焦ったんだよ?」
「ご、ごめん」
薬剤師になりたいからと、薬学部を目指している朔ちゃん。
なんとか目指している大学には手が届いているらしく、今はその点数を維持するために頑張ってる。
「ま、いいよ。今日の放課後また来るな」
…あの日から、朔ちゃんは全然変わらずにいてくれている。
相変わらず優しいし、わたしには甘い。お兄さんのような優しさで包んでくれている。
…だけど。
「ちょっと待て。今日は俺たち図書館で勉強するっつったよな?」
「おーっと。そうだったっけ?じゃあ俺も今日は図書館にしよっかな♬」
「まじで帰れ」
この2人は、やっぱりいつかを境に、仲がいいのか悪いのかよく分からない関係になっていて。
この謎の真相は、まだ誰も知らない。