「きみか、顔見せて」

「…」


ようやく、いつもの飛呂くんに戻ったのは、空が完全に真っ青になった頃。

飛呂くんに顔を見せる途中、左目に星が1つだけうつった。


…きっと、一番星だね。



「…きみか」

「ん?」


…あぁ。好きな人に名前を呼んでもらえるって、本当に嬉しい。
一番星が、心に降りてきたみたいだ。





「俺も、お前のことが好きだよ」


「…うん」


「これからも、ずっと俺のそばにいて」




…彼の、ぶっきらぼうだけど、優しい優しい言葉に耳を傾ける。

不器用だけどまっすぐなその言葉に、胸がじわりと温かくなって。


甘い甘い言葉に誘われるように、すっと目を閉じると、少しだけ震えたキスが、優しく落ちてきた。