ビター・オア・ミルキー



わたしの心からの叫びが終わると、すぐに飛呂くんの大きな身体が目の前に降ってきた。


「…っ、きみか」


グラリと動く視界。まるで、初めて気持ちを通じあわせたあの日のようだ。

つい最近のことなのに、もうずっと前のことのように思えるね。


「…俺と、また一緒にいてくれるってこと?」

「うん、いるよ」


これから先、願わくば、生涯、飛呂くんと2人で生きていけたらいいなって思っているよ。



「よかった…っ。俺、もうあいつのとこ行っちゃうんじゃないかって…不安で…」



…そうだよね、不安にさせたよね。



「…ん、ごめんね。わたしは飛呂くんのところにずっといるよ」

「…っ」

「…ずっとだよ」

「…ん」



こんな風に、少しだけ頼りないところも、弱いところも、飛呂くんの好きなところ。

きっと、わたしにしか見せない、飛呂くんの特別なところ。


…そういうところも、これから少しずつ、もっともっと見せて欲しい。