ビター・オア・ミルキー



「…わたしね、朔ちゃんのことももちろん大好きなんだよ。きっと、これからもずっと、大切な人なの。特別なの」

「…ん、分かってる」

「…でもね…」


そこまで言いかけて、ポタリポタリと、情けなく涙は頰を伝って地面にシミを残して行く。


「…っ、ごめん、ちょっと…」


慌てて手首で拭って、地面に落ちたシミを靴の裏で必死に隠した。

…こんな時に、まともな告白もできないなんて。
ほんとにわたしは、どこまでダメなんだろう。

なんて、本当に情けなくなってしまうけど。


でも、今はそんなこと思ってる場合でもない。


「…でもね、わたし…。やっぱり、こうやって2人で一緒にいてドキドキ…したり…っ、会いたいなって…、声が聞きたいって…っ、これからも男の人として、一緒に生きて行きたいって思うのは…っ」


情けない、告白。
まったくカッコ良くもないしスマートでもない。

言いたいことを並べただけの、ツギハギだらけの告白だ。