ビター・オア・ミルキー



「ほら、駅についた。日が落ちないうちに、ちゃんと帰りな」

「…うん」


…別に、朔ちゃんと永遠のバイバイをするわけじゃない。

もう、会えないわけじゃない。

でも、ここで離れたら、もう二度と、今までのような日常は待っていないんじゃないかなんて、考えてしまう。


…此の期に及んでわたしは、なんてずるい女なんだろう。


「…朔ちゃん、」

「ん?」


一度だけ、たった一度だけだけでいいから、こたえてくれないかな。




「わたしたち、これからもずっと、幼馴染として仲良くしていけるかな」




最低な女で、ごめんなさい。
でも、これまでの関係を、わたしは壊したくないよ。

…どれだけ、時間がかかってもいいから。



でも、そんな不安も虚しく、朔ちゃんはまた少しだけ吹き出して笑った。



「なんてこと心配してんの?当たり前でしょ?」

「…!」



その笑顔は、もうなにも隔たりもない、ただいつもの朔ちゃんの笑顔だった。