ビター・オア・ミルキー




「そうなんだ…。なんだか、朔ちゃんっぽいね…」

「…ん、ありがとう」


今まで、ずっと一緒にいたからって、これからも死ぬまで一緒というわけにはいかない。

ずっと一緒に生きて行きたいのなら、わたしは朔ちゃんを選べば済むこと。

…でも、それはやっぱりできないから。


わたしは、目の前のこの人を、しっかり見送ってあげることしかできないんだ。



「…最初はさあ、君花のこと忘れられるかなーとか、離れるの嫌だなーとか、色々考えてたんだよね」

「…」


「…でも、そう考えるのもやめた」

「………なんで?」



…少しずつ、少しずつ、太陽が下に下がっている。

そして、その太陽は今、朔ちゃんの優しい笑顔をうつしていて。



「だって、好きなもんはしょうがないし。だから、少しずつ、君花を別の特別な存在に変えていければいいかなって思ってるよ」

「…!」


しつこくてごめんね。

…そう、朔ちゃんは呟いた。


「でも、ヒロくんとのこと、邪魔したりはしない。もう、あんなこともしない」

「…」

「君花も、もう、分かってるでしょ。俺とどういう付き合いをしていけばいいかなんて」

「…うん…」

「よし」


…分かってる。これからの朔ちゃんとの付き合い方。

朔ちゃんの気持ちを知った以上、飛呂くんを選んだ以上、今まで通りにはならない。


…でも、いいの。

だって、それに気づくために、わたしはここまで来たのだから。