ビター・オア・ミルキー



「…もうこんな時間か」


朔ちゃんは、時計を見ながら呟いた。

周りを見ると、短パンをはいた小学生たちが、数人で家に帰っていく姿が見える。

…もうすぐ、夕食どきかな。


「もう帰るよな、君花」

「…うん…」

「わかった、駅まで送る」



…朔ちゃんは、お盆までここにいると言っていた。

しばらく来ていなかったから、ゆっくりおばあちゃんと過ごしたいらしい。


泣きはらした目は、まだ熱を持っている。

…その熱が冷める頃には、わたしは気持ちをリセットできているのかな。



「なー、君花」

「ん…?」



それとも、この声を聞くたびに、ひどいことをしたと、後悔するのだろうか。


…前に進めるのか、不安でしかない。