ビター・オア・ミルキー



何度も何度も、クイズを出した。

でもその内容は、お互い知ってるであろう記憶のものばかり。

きっと無意識に、回答を見ながら思い出を語り合いたいと、そうなっていったんだろう。

おかげで、もう長い間、朔ちゃんと2人で思い出を振り返っている。


「はぁー、やっぱりわたしたちすごいなあ。ねぇねぇ、朔ちゃん。次のお題は?!」


朔ちゃんの思いついたゲームが意外に面白くて、わたしは夢中になっていた。


「んん…。次のお題ねぇ…」


もう、ネタも尽きてきたんじゃないかと思っていた頃。


朔ちゃんは、わたしの方をじーっと見つめて、ニコッと笑う。


「じゃ、次のお題。お互いの『初恋の人』」

「えっ?!」


さぁ書いてー。

朔ちゃんは、意地悪く笑っている。


…いやいやいや、わたし、これ知らない。朔ちゃんの初恋の人?聞いたことがない。

生まれた時からずっと一緒にいるけど…。


「えっ、どうしよう分かんない」

「…ふ、早く」

「えー」

「…いーから。誰か書けって」


朔ちゃんのことで、初めて確信が持てない。

ええ、誰だろう。中学のときに出来た初めての彼女?

あの子の名前、なんていったっけ…。確か別の中学だったような気がするなあ。

うーんと…。


記憶をたどって、聞いたことのある名前を書いた。
確か…確か、ゆりちゃんだった気が…。あれ、違うっけ。みくちゃん?


「はーい、時間切れ〜」

「ええーっ!」


あーもういいや、ゆりちゃん!
これでいく!!


「はい、なんて書いた?」


ニヤニヤしている朔ちゃんを横目で、隠していた文字を見せる。

その瞬間、朔ちゃんは笑い転げた。