ビター・オア・ミルキー



「…ねぇ、君花」

「ん?」


朔ちゃんに呼ばれて顔を上げると、優しい目でわたしを見ていた。

思わずその顔に、涙が出そうになる。


「…今からさ、ちょっとしたゲームしようよ」


「…ゲーム?」

「そう」


どんなゲーム?と、朔ちゃんに聞くと、朔ちゃんはわたしに地面に落ちていた枝を渡してきた。

朔ちゃんはそのまま、細かい砂が敷き詰められている地面に、何かを書いていく。


「これからさ、あるお題をお互いに出していくの。お題はなんでもいい。例えば、俺が『誕生日』って言ったら、君花も俺も、ここにお互いの誕生日を書く」


わかった?と、笑う朔ちゃん。
なるほど、ルールは理解できた。


「これ、書けなかった人が負け?」

「そうそう、簡単っしょ?」

「うん」


なんか、小学生みたいなゲーム。
でも、なんだかワクワクする。


「じゃあはじめのお題ね。初めは、血液型」


君花は俺の血液型知ってたらここに書いてね、と、地面に書いた表に書きながら教えてくれる。

朔ちゃんの血液型?そんなの簡単。
知らないわけがない。

わたしが昔、占いにはまったときに、何度も調べまくった。


「朔ちゃんの血液型は、Bだよ」

「お、正解。君花は、Oだね。あってる?」

「せいかーい!!」

「やった」


…こんなの、簡単だよ、朔ちゃん。