ビター・オア・ミルキー



涼しいところに入って少し時間が経つと、わたしも少しずつ元気になった。

持っていたタオルで汗を拭う。ついでに、裏面で朔ちゃんの汗もぬぐってあげた。


「…朔ちゃん、あんなとこで何してたの?」


ありがとう、と、タオルを受け取る朔ちゃんに問いかける。


「…あぁ。なんとなく…」

「なんとなく?」

「………君花が、近くにいそうな気がして」

「……」


そっか。

朔ちゃんも、わたしと同じことを考えていたのか。

…そう考えると、思わずクスッと笑いがこみ上げてくる。


「わたしもね、思ってたの。いっぱい探したんだけど、ここの場所思い出した瞬間に、迷いなんてなくなったの。絶対朔ちゃんはここにいる!って思ったの」

「君花…」

「わたしたち、やっぱりお互いのことよく分かってるよね」

「…」


朔ちゃんが黙ったから、時計に目を移した。

…もう2時半。あれから3時間くらい経ったんだなあ。
そんなに、わたしは朔ちゃんを探していたのか。

我ながら、すごい。