ビター・オア・ミルキー



見たことのある顔。暑くてぼーっとするけど、それだけはクッキリと浮かんで見えた。


「…さく、ちゃん…」

「君花…」


数時間前に聞いた声。やっぱり、この声を聞くと、落ち着くなあ。



「君花…ほんとに……、来たの…」



…あぁ。よかった。
ちゃんと見つけられたんだ、わたし。

よかった。

でも朔ちゃん、なんでそんなに声を震わせてるの?



「言ったでしょ、朔ちゃんを、必ず見つけるよって…」

「…っ!」



カラカラの喉から、声を振り絞った。
見つけたよ、見つけられたんだよって、約束したでしょって言いたかった。


でも、その声は途中で途切れた。


…朔ちゃんの、腕によって。



「…っ、こんなフラフラしながら…。ごめん」


「…朔ちゃん…」

「俺のせいだな。涼しいとこ、行こう」


わたしは、そのまま朔ちゃんに連れられて、昔よく遊んだ大きな遊具の陰に入った。


朔ちゃんは近くの自動販売機でスポーツドリンクを買ってくれて、それをわたしに渡してくれた。