ビター・オア・ミルキー




***


「…ねぇ」

「………!!」


トン…と、肩に声と手のひらの重みが広がった。


体育館での始業式が終わり、教室に帰って来たときに、わたしは雨宮くんに声をかけられた。


…って、なんで……。


「…聞いてんのかよ」

「はっ…、ははははい!!」

「だから、このプリント、担任から渡しとけって言われたんだって」

「…あ………」


委員会のプリントか…。ビックリした…。


「………」


…こう見ると、本当に背高いなぁ…。

黒髪から見える目もきれい。女の子だったら、芸能人並に美人なんじゃないかと思う。


「…なに」

「…へっ!?あ、ご、ごめんなさい…!!」


や、やばい、見入ってしまってた…!!