ーー…朔ちゃんと連絡が取れなくなってから、数日が過ぎていた。

もう補習期間も終わっているし、完全な夏休みに入ったわけだけれど、隣の家はまるで人気がない。

それに、携帯だって、何も反応しないし電話にも出てくれない。


…朔ちゃんは、一体何をしているのだろう。


「…朔ちゃん、」


もう本当に、わたしのことを拒絶しているのかもしれない。
もう、会いたくないと思っているのかもしれない。

…いつも、夏休みは毎日のように一緒にいて、朔ちゃんに宿題を教えてもらっていたのに。

今年は、そんなこともあるわけがなく、ただ1人で机に突っ伏していた。


飛呂くんからの連絡もない。当たり前だ。きっと飛呂くんのことだから、わたしから連絡がないと、何も起こさない。それは容易に想像できる。



「…はぁ」


携帯をとって、アニカの番号を探した。
今頃、高橋くんとデートでもしてるかな。かけちゃったら、悪いかな…。


〜♪〜♪〜♪


「ひゃっ?!」


アニカの電話番号を開いた瞬間、わたしの手の中にあった携帯は、ブルブルと震えながら音楽を流し始めた。