ビター・オア・ミルキー



「…ね、ねぇアニカ」


始業式があるからと、体育館に行く途中。

アニカにあの男の子のことを聞いてみた。


「君花の後ろの子?…って、あぁ、雨宮君のこと?」

「…いや、知らないんだけどさ…。あ、あの人!!」


おっと…。声が大きかった。


口に手を当てながら、体育館にやってきたあの男の子を指さした。


「あぁ。やっぱり雨宮くんだよ。」

「雨宮くん?」

「そう。下の名前は忘れちゃったけど。二年生の時は隣のクラスだったよ」

「へー…」


しらん。こんな人いたんだ…。
背は高いから目立ちそうなのになぁ。


「なになに?君花、気になるのっ?」

「え!?そんなんじゃないよ、ちょっとこの間すれ違っただけで、見たことある人だなって思っただけ!」


この間釘宮くんに振られて朔ちゃんに慰めてもらったのに、そんなに簡単に新しい好きなひとつくるわけないじゃん。


ね??