ビター・オア・ミルキー



…本当は、謝りたかった。

だって、俺もこういう気持ちを、この間は抱いてしまったのだから。



けど。



「てめぇ、きみかが好きなら素直にそう吐け」

「…」


…そんなことを言われても、まったく謝る気にはなれなかった。

…だって、手にしてるんだろ。お前は。
あの花のような笑顔を、こころから向けられているのだから。


「…好き?ははは…」


笑いが出る。



「…何笑ってんだよ…」


好き、好きか。そうね。


「…そんな単純な気持ちなら、もうとっくに言ってんだよ…!」


むかつく。むかつく。むかつく。

簡単に、君花の名前を呼ぶこいつが。
簡単に、君花をものにしたこの男が。



「お前には絶対に分からねーよ…!ずっと…ッ、大切にしてきた奴に…簡単に好きなんて言えるわけねぇだろ…!」

「…っ」

「あんな、あんな素直な奴に、心の底から信用されて、男として、人間として信用されて、それを壊すなんてこと、お前はそれができんのかよ…!!!」



今までの、怒りが溢れて来るようだった。

ふざけんな。

好きと伝えて、何もかもうまくいくならとっくに言ってるよ。


「お前らみたいに…っ。気持ち伝えて、ただ振られるだけなら、とっくに言ってんだよこんなもん…!!」


好きで、でもふられて、そんで、友だちって関係に苦しむくらいなら

そんなちっぽけな苦しみだったら、俺は何度だって闘ってやるつもりだったよ…。