ビター・オア・ミルキー



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放課後、部活の時間帯に学校に行くと、担任から進路指導室に呼ばれた。

あの後、すぐに電話をした。

結局、仮病を使ったわけだけれど、補習についてのプリントを渡すから良くなったら来いと言われた。

後日、わざわざ部活中に行くのも面倒だったから、今日行ってしまったほうが楽だと考え、なんだかんだ、今は学校にいる。


「お前もしかして、昨日、雨に濡れてそのままだったんじゃないだろうな?」


進路指導室に入った途端、先生は俺が雨に濡れて、風邪をひいたと心配した。

…そんなわけない。君花じゃあるまいし。


「濡れてはないですけど、ちょっとまぁ、冷えましたよね」


適当に返す。

すると先生は、「気をつけろよ」とだけ言って、補習の案内プリントを渡してきた。

そこには、夏休みを使って補習を行う目的、対象者、時間等が書かれてある。

今までテストで赤点をとるなんてことをしたことなかった俺は、そのプリントを貰うということに新鮮さを覚えていた。



「まぁ、お前の頭なら、すぐに問題を解いて丸もらって終わるだろ。1時間くらいと考えてていいんじゃないのか」

「そのあとは部活に行ってもいいんですか?」

「あぁ。やること終わればな」

「…」


…なんだ、楽勝じゃん。
じゃあ、そんなのとっとと終わらせちゃお。

部活に行ってたほうが楽しいし。


「つーかお前。部活って言っても、もう1学期で終わるだろう。夏休みは受験勉強だ、受験勉強」

部活のことをアレコレ考えている俺に、あほか、と、喝をいれる先生。

…そうだ、すっかり忘れてた。

この間大きな大会が終わった俺たちは、もう部活は形式上、引退なのだ。


「はぁ…受験勉強……」

「そうだぞ。お前、まだちゃんと進路決めてないみたいだけどいいのか。結局、どこにするんだ」

「…」


…進路、ねぇ。