ビター・オア・ミルキー



そんなの、今まで何度だって聞いてきた。



「…聞いた、よ」

「なんて」

「…わたしのこと、好き、か…」


そのたびに、朔ちゃんは笑って、大好きだよと言っていた。

…わたしは、いつもそれが、嬉しくて…。


「…きみかのさ、その、あの人に言ってきた“すき”は、どういう好きなわけ」

「…」


…わたしの、朔ちゃんに対する好き…。


…朔ちゃん。

朔ちゃんは、いつも、わたしのお兄ちゃんみたいで。
わたしのいつも、一歩前を歩いてて。

優しくて、強くて、でも弱いところもあって、かっこよくて、かわいくて、でも、かっこよくて。

いつも、朔ちゃんといると、心があたたかくなる。


……………でも。


「…わたしは、朔ちゃんのこと、ただの他人とは思えない。だいすき、ずっと幸せでいてほしい、朔ちゃんには、笑っててほしい…」

「……ん。つまり…?」


…つまり?


「…朔ちゃんは、言葉では表せられない。大切な人なの。家族みたい、きょうだいみたい…でも………」


…でも、きっと、例えば、わたしの飛呂くんに対する気持ちとは、違う形なんだ。

朔ちゃんが、飛呂くんと違うわけじゃない。

朔ちゃんは朔ちゃんだけの、形がある。

わたしにとっての、朔ちゃんという、存在なんだよ。