新しいクラスは3年5組。
教室は廊下をまっすぐ行って突き当りのところだった。
一階にあるから、大きい窓がすぐ角にある。涼しい風が通り抜ける場所だった。
わいわい がやがや。
新しいクラスメートが騒いでいる中で、わたしは朔ちゃんにメール。
朔ちゃんは7組。隣の隣のクラスにいるはずなのだ。
『朔ちゃん、新しいクラスはどうですか?』
朔ちゃんとは、同じクラスになったことは一度しかない。
高校一年生のときの一度だけ。
「なに?また朔ちゃんにメール?」
「…!」
送信ボタンを押すと、後ろに座っていた加奈子に声をかけられた。
突然のことに、身体が飛び跳ねる。
「か、かなこ…!いつのまに来てたの?ビックリした」
「さっき。アニカも同じなんだ。…ていうか、ほんとに君花は朔ちゃんから離れられないよね。ほんとに大好きだよね」
加奈子は、グループは違うけど仲良くしている友達。
ゆるく巻いた茶色の髪が良く似合う。



