「…そ。なら良い。じゃ」 その人は一度も笑わずに、わたしの隣から去って行った。 「………」 な、なんだ今の…。 わたしが変にこわばっただけで終わってしまった。 まるであの人は、わたしがどう思おうと関係ないですみたいな顔をして…。 「…変なひと…」 それにしても、あんな人、うちの学校にいたんだ。 着てた制服、わたしが着ているものと同じだったし…。 顔は、携帯と月明かりに反射した分しか見えなかったけど。 きっと、色白できれいな顔をしているんだと思った。