「君花、今日は何時にお迎えくるの?」
「え」
アイスの棒を目の前に出される。
それを追って前を見ると、にやにやしたアニカの目。
「雨宮くん。今部活中でしょ?」
「う、ん……」
「いいなぁ、雨宮くん、優しくて」
飛呂くんは、部活に行く前に6時半に迎えにいくと言った。
今は6時。予定の時間まであと30分。
飛呂くんとお互いへの想いを確認し合ってしばらく経った。
ぶっきらぼうだけど優しい飛呂くんは、放課後わたしが学校に残っている時は、いつも家まで送ってくれる。
…そのおかげで、朔ちゃんと一緒に帰ることが、少し少なくなったけど。