「わ、わたしも本気だよっ」


あまりの恥ずかしさに、顔が真っ赤になっていってるのが分かる。

熱が上昇して、頭のてっぺんまでクラクラする。


「…俺と、ほんとに付き合う?」

「…っ」


つ……と、頬を親指でなぞられた。

こんな、こんな飛呂くん見たの、初めてだ…っ。


「つ、付き合う…よ」

「…そ」


どうしよう、熱い。

飛呂くんの手が、顔が、すぐ近くにあって。

心臓が、壊れそう。



「さっきの、むかついた。君花って名前くらい、俺だって知ってんのに」

「…っ、飛呂く…」

「朔ちゃんって人と、朝も一緒に来るんだろうなとか、昨日色々考えてたから、余計にピリピリしてた。ごめん」

「…」


…やっぱり。

飛呂くんにとっても、朔ちゃんとのことは、嫌な気持ちにさせちゃうんだね。

わたしが、朔ちゃんと一緒にいるかぎり…。


「でも、あいつがお前にとって大事な存在なら、無理に変わる必要もないと思う。俺はそうであって欲しい」

「…!」

「でも、」


コツン、と、飛呂くんのおでこと、わたしのおでこがぶつかって。

そのまま、昨日みたいに、


「…飛呂、く…」



ぎゅっと、抱きしめられてしまった。