ビター・オア・ミルキー



「君花、起きてるの?もう朝よ!!」


リビングから、お母さんの声がした。

「…」

いつもはうるさく感じるのに、今日はとても遠く感じる。

朝ごはんを食べて、髪をとかして、歯磨きをしたら、朔ちゃんがウチに迎えに来る。


「朔ちゃんに、なんて言おう…」


何も考えてなかった。
朔ちゃんのことも、これからのことも。

きっと、今まで通り、笑ってくれると信じてる。

だけど、飛呂くんのことになると、後ろめたさを感じてしまう自分がいるのはなんでだろう。



不思議だ。

こんな不思議なこと、今までなかった。

わからない。


「君花ーー?!遅刻するわよ!!!」

「…」


考えてばっかでもダメだ。

とりあえず、学校に行こう。