遠のいていく背中を、ずっと見てた。
振り向いてくれないかなぁって、思いながら。
…恋って、ほんとに、色々くるしいね。
「────…」
……ん…?
「……………」
離れていっていた、2人の距離が。
「………?」
もし、ストップしたら、それはどういうことなのでしょうか。
「………ひ、ろく…ん……?」
…あれ。わたしがさっき、振り向いてって思ってたの、バレちゃったのかな。
「──…え?」
どうして、飛呂くんはこっちに歩いてきているの?
どうして、顔をしかめながら、わたしの、方に…──
「───…っ、はぁ……」
「飛呂くん…?どうしたの、戻ってきて……」
眉間にシワを寄せたまま。
何か不満があるような顔で、わたしを見ていた。



