ビター・オア・ミルキー



──────…


本屋さんを出る頃には、繋がれていた手も離れて寂しそうだった。

さすがにレジをする時に、するりと離れて。
それからは飛呂くんから握ってくることはなかったんだ。


「……」


それにしても。
なんだったんだろう。さっきのは。

ドキドキしすぎて心臓痛いよ……。



「6時前か。そろそろどっか入るか」

「うんっ」


気がつけば、周りは夕焼けが紫に変わりかけている。

これから徐々に紫が強くなって、夜になっていく。


「飛呂くん、どこに行くの?」

「…別に決めてない。ヒヨコが行きたいところでいーよ」


えっ、いいのっ?!

てっきり『俺が行きたいところに行くぞ』的な感じかと思ってた…!


「じ、じゃあパスタ食べたい!パスタじゃなくても、イタリアンがいい!」

「……女子力見せつけても効果ねーぞ」

「そんなんじゃないし!」



近くに美味しいビュッフェのお店があるんだ。

前にアニカと2人で行った。

カップルで来てる人たちもいたし、値段も手頃だしきっと失敗はしないはず。


…カップルじゃないけど。