ビター・オア・ミルキー



「…まー、男だからお前よりは大きいだろうな、当然」

「えっ……」

「つーか、人来てる。どけよ」

「………!!」



…その、瞬間。


「…っ、」


わたしの右手が、その大きな大きな手に、持っていかれてしまった。

それはあまりにも自然で、まるで手もひとつの生き物のように。

つながれた、というよりは、わたしの手が飛び込んでいった、そんな感覚。



「お前がはしゃぐからメーワクしてんだろ。周り見ろ」

「はぃ…ごめんなさぃ…………」



……飛呂くん。

飛呂くんの手、すごく熱いんだね。

もうすぐ、夏がくるからかな。




「…あ、この間の続編出てる」

「……っ」



離れることがないのは、わたしの手が冷たいからなのかな。

まるでわたしの冷たい手で、体温を冷やしているように、飛呂くんの手はわたしの手を優しく包んでた。