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あっという間に朝が来た。
珍しく、小鳥のさえずりで目を覚まして、自分の眠りがどれだけ浅かったかを思い知らされる。
「……身体、だる………」
昨日は、なんだかんだ、ずーっと飛呂くんのことが気になってた。
あとは、朔ちゃんの言ってた言葉。
『本当の恋は、くるしいんだよ』
「……」
確かに、飛呂くんを見てるとくるしい。
昨日だって、朔ちゃんと一緒にいるところを見られただけであんなにくるしくて。
別に誰が悪いわけでもないのに、あそこまで罪悪感や嫌悪感を抱いたのは初めてだ。
「…でも、それはうぬぼれだよな……」
──…分かってる。
わたしが罪悪感を抱いたのには、ちゃんと理由があるってこと。
わたしがこうやって「申し訳ない」と思っているのは、きっとあの夕立の時、飛呂くんが言った言葉が耳に残ってるからだ。
『…お前のことが、気になってる』
…あの日、飛呂くんは確かにそう言った。