「そうだなー。俺もそろそろ本気を出していこうかなあ」



夕焼けが目立つようになった空の下、朔ちゃんは背伸びをしながら言った。


「…じゃあ朔ちゃんはまず、誠意を見せるためにも女遊びをやめないとね」

「そうだなー。辛い恋の寂しさを誤魔化すのには持ってこいだったんだけどね」



誤魔化す…。そっか、そういうことだったんだ。
朔ちゃんの恋は、それほど、辛いんだ。



キンダンの恋、なのかな。なんちゃって。



「…でもま、あんまりその子を困らせたくねえしな~」

「だっ…大丈夫だよ!朔ちゃんはカッコいいもん!イチコロだよ!」

「そうか?でもな、その子のこと、他にも狙ってる奴いて。そいつもすげーイケメンだぞ?」

「…だっ、大丈夫!」

「しかも、その女の子もそいつに惹かれてるしな」

「…えっ、えええ?!」



やばいじゃん!!


って叫んだら、またまた朔ちゃんに爆笑されてしまった。

今度は涙目になるまでも笑った。



「あ~もう、笑わせんな!本当に腹筋崩壊するわ、お前」

「えー?!朔ちゃんが勝手に笑ってるんじゃん!」




朔ちゃん、頑張って。

わたし、朔ちゃんには幸せになってほしい。


絶対に。