「君花もね、ちゃんと今まで恋してたよ。けど、もう釘宮くんのことは頭から消えちゃってるでしょ?」


「………!!」



た、確かに………。
わたしってば、あんなに泣いたのに、もう頭は飛呂くんのことしかなくて……。

しかも思い返せば、今までだってそうだったかもしれない。


別れちゃったら、悲しいけど、それはそれでもういいやって。



「…俺は、そんなんじゃない。くるしくても、その恋がいいんだ」


「……朔ちゃん」



朔ちゃんも、ちゃんと恋してるんだ。

わたしが相談のってあげたりしたときも、ちゃんと。



「…朔ちゃんは、想ってるだけでいいの?」

「─…はっ?」

「その…朔ちゃんの好きな人。想ってるだけでいいの?」



─…わたしだって、朔ちゃんの恋は応援したいんだよ。


でも、わたしがそう言った瞬間、朔ちゃんは大声で笑い出した。


「さっ、朔ちゃん?!」

「はははははは…!ごっ、ごめん…っ、そんなに真面目な顔で聞かれると、なんか…っ」




おなかを抱えて笑ってる。

なんなんだ、この人は。